事業承継を進める際、多くの経営者がその複雑さに困惑します。事業承継計画、株価評価、相続税や贈与税の申告など、専門知識を要する作業が山積みです。さらに、法務や税務の手続きにミスがあれば、後々トラブルを引き起こす可能性があります。「どこから手を付ければ良いのかわからない」という不安を抱えたまま時間が過ぎ、問題が蓄積されてしまうケースが少なくありません。

「家族間で意見がまとまらない」
事業承継において家族間での意見の食い違いは珍しいことではありません。経営者が希望する後継者に対し、家族の中で異なる意見が出たり、相続財産の分配について意見が衝突することもあります。こうした不一致は、事業承継の遅れや、親族間の関係悪化を引き起こし、従業員や取引先にも影響を及ぼす可能性があります。

相続税や贈与税の負担がどれほどになるのかを知らない経営者・後継者は少なくありません。「このままでは事業を引き継いだ後に資金繰りが厳しくなるのでは・・・」といった懸念が常に頭をよぎります。また、特例の適用や控除の使い方が分からず、適切な計画が立てられない状況に直面することが多いです。

後継者が経営に必要なスキルや経験をまだ持っていない場合、事業承継がスムーズに進まないことが懸念されます。「後継者が本当に事業を引き継ぐ能力を持っているのか」という経営者の不安は、次世代の経営体制に影を落とします。

事業承継を進める経営者は、自分の代で築き上げた事業が次世代に引き継がれた後も継続できるのかを心配します。業界の変化や市場競争に対して後継者がどれだけ対応できるのか、漠然とした不安が解消されないままの状況が続くことがあります。

急な病気や事故で事業承継の準備が整わないまま承継に迫られるケースも少なくありません。こうした状況では、税務や法務の手続きに時間がかかり、最善の選択ができないまま事業運営が危機的状況に陥ることもあります。

事業承継を始める適切なタイミングがつかめず、計画を先延ばしにしてしまう経営者は少なくありません。結果的に準備不足が発生するケースもあります。また、後継者の育成や税務手続きの準備には時間がかかるため、調整不足や手続きの遅れが起こりやすくなります。このようにタイミングの見極めが難しいことで、事業承継の円滑な進行に支障をきたすことがあります。